2022/09/23 22:02
「ほぼ」毎日牛肉を扱い、お客様に提案する肉のプロ。
今回は、「スネ」という牛肉部位のご紹介です!!
「スネ」は人間にもあるので部位の場所は説明不要かもしれません。その名の通り牛のすねの部分からふくらはぎまでのお肉です。
牛には前脚と後脚がありますので、前脚のスネを「マエスネ」、後脚のスネを「トモスネ」といいます。
特質は、両者共にほぼ同一です。
牛一頭から取れる量は約10kgとされています。
マエスネ
繊維が入り組んだ筋膜の部分を「力こぶ」と呼び、希少部位として扱われています。スジが無数に入っているので硬そうに見えますが、牛肉が上質であればあるほど柔らかく濃厚な味です。
トモスネ
外モモから繋がっているスジの多い部分を「千本筋(センボンスジ)」と言います。取れる量が非常に少ないため提供しているお店は少ないですが、あっさりしていて濃厚な味があるため密かに好む方が多いです。
業界用語では牛スネを「チマキ」とも呼ばれています。
牛スネ肉の特徴
スネ肉というと、“硬くてそのままじゃ食べられない肉”という認識が多いかと思います。
運動量が多い「牛スネ」は、牛肉の中でも特に筋肉が発達しています。脂肪はほとんどありませんが、赤身が多いので肉質は非常にかためです。
しかし筋膜、腱も多いですが、その分エキスやゼラチン質に富んでいます。そのため、「牛スネ」は煮込めば煮込むほど柔らかくなる、旨み部位なのです!
じっくり煮込むとかたさがほぐれ、とろけるような口当たりを堪能することが出来ます。
さらに、よく動き鍛えられた分、風味・旨みはびっくりするほど濃厚です。カレーやシチュー、スープといった煮込み料理はもちろん、挽き肉にしてハンバーグやミートボールに加えると、非常にコク深く風味豊かな味わいに仕上がります。
牛スネって牛スジと何が違うの?
牛スジとは、主に牛スネ肉の先に付いているアキレス腱のことを指します。つまり、牛スネはふくらはぎにあるお肉で牛スジはアキレス腱です。
おでんで“牛スジ”というメニューも見かけますよね!意外と身近な部位なんです。
人間もスネとスジがありますよね。牛も同じように違いがあります。ちなみに、スネよりもスジの方がコラーゲンが豊富だと言われています。
牛スネはブランド和牛でも安価?
牛スネ肉は使用用途の少なさからブランド和牛でも比較的安価で入手することができます。
使用用途が少ないといっても、先述した通り「牛スネ」は旨み部位!!
カレー、シチュー、牛スネ煮込で主に使われますが、スマートおすすめは挽肉にしてハンバーグ作ってみてください!
濃厚な旨味と甘みがぎっしり詰まって他の部位では感じられない美味しいハンバーグが作れます。
新鮮さと肉質の良さが味に直結!
牛スネも牛スジも他の部位に比べたらマイナーな部位と言えるかもしれません。ただ、この部位の品質はロースやバラ、モモ、サーロイン、ヒレといった肉の部位の品質と完全に直結しています。
マイナーだし、煮込んじゃうし、どの牛でも同じかな。とはなりません!
品質によって臭みや硬さが違います。
当然ながら新鮮で上質な肉が取れる牛のスネ肉やスジ肉の方が上等です。
輸入牛より国産牛、国産牛より交雑種、交雑種より黒毛和牛の方がスジが柔らかく煮込む時間も短くなります。仕入れる時は信頼できる食肉卸し業者を選んで肉を選ぶことをオススメします。
まとめ
牛スネ肉は、他の部位に比べて安価で購入できます。
調理に多少の手間はかかりますが、手間をかけた分美味しい料理になる部位です。
煮込み料理以外にも、挽肉にした活用法などがありましたらコメントお待ちしています。