2022/09/23 21:40

前回、牛の胃は食道のようなもの!(ざっくり!)というお話をしたのは覚えておられますか?のど、食道、と言えば…

はい、「ネック」ですね。

ネックは、牛肉の首の部分です。鶏肉では「せせり」、豚肉では「豚トロ」の部位を指します。

これまでご紹介してきたサーロインやイチボなどに比べると、あまり聞き馴染みのない部位かもしれません。しかし、実は魅力が盛りだくさん!寒くなってきたこれからの時期にも大活躍してくれます。

ネックはこちらの部位です。


その名の通り、首の肉

首は良く動く部位なので、筋肉がとても発達しています。草を食べるときも、水を飲むときも、歩く時もよく首が動いていますね。脂肪はほとんどなく、赤身中心で硬めの肉質です。いわゆる筋肉質(流行りのマッチョ)なんです。


ネックの硬さは牛の部位の中でも2番目!1番硬いのはスネです!すねについてもいつかお話しますね。

あれ?そんなに硬いのに、食べられるの…?ネックだけに硬さがネック…(あれ?)と思ったそこのあなた!

杞憂です(ドヤァ)余裕です(ドヤァ)むしろ美味しくてぜひ食べて頂きたい部位なんです。

ネックは硬めの肉質と言いましたが、風味や旨味は実に濃厚!!じっくりダシを取ったり、ミンチや切り落としにすると、旨味が引き立ち美味しく食べられる部位なのです。

しかも脂肪が少なくヘルシーな上に、コラーゲンが豊富!カロリーも低いため、「ヘルシー」「美容にもいい」なんて見逃せませんね!女性のお客様が多いレストランでは、看板メニューになるかも!?

さらに嬉しいのは・・・・・・

安いんです!

使い方に少しコツがいるせいもあって、価格が安いのもネックの特徴の一つ。ですが、それは一般家庭で調理する場合のお話。飲食店では問題なくメリットしかない部位だと思います。美味しくヘルシーで、さらに安いとなれば使うしかないですね!

では、ネックの「美味しい」食べ方をご紹介していきます!

その1

じっくり煮込む!「カレー」や「シチュー」



じっくり時間をかけて煮込めば、肉質はホロホロに柔らかくなり、旨味も凝縮。牛すじカレーはよく耳にしますが、実はネックカレーも美味しいんです。メニューの差別化にもいいかもしれませんね。

その2

みんな大好き!でも実は差が出やすい「ハンバーグ」


煮込まずとも、ひき肉にしてしまえ!ということでハンバーグもオススメです。これで硬さ問題は一気に解決します。

旨味が強くコクのあるネックは、ハンバーグにするとびっくりするくらい奥深い味になるんですよ!そして、本当に美味しい牛肉を使えば、余計な味付け不要!牛肉を知れば知るほど、美味しい牛肉こそシンプルに味わいたいと思います。

「本当に美味しい牛肉」が気になったあなた。お目が高い☆いつかその見分け方もお話できるといいな~と思います。

ハンバーグだけではなく、メンチカツや肉団子、ハンバーガーのパテにもいいですよね

その3

なんでも使える「こま切れ

お店でもご家庭でも使いやすいのが、「こま切れ」ですね。メニューの幅は無限!

硬めのネックでも、細切れにしてしまえばそこまで硬さは気になりません。それ以上にのコクのあるお肉に病みつきになるかも?

炒め物にはなんでも使えますが、個人的にはこれからの季節、

「肉うどん」


がおすすめ!(大好きです)
たっぷりネギとともに暖かいうどんをいただきたいですね。

その4

これぞ裏メニュー!!(裏!?!?!?)

「焼肉」

え?焼肉??硬いんじゃなかった?と思ったそこのあなた。ありがとうございます。ちゃんとこのブログを読んでくださっている証拠ですね!

確かに、ネックは赤身が多く硬いため、そのまま食べるのには向きません。・・・が、ごく一部、焼肉にするとおいしい箇所があるんです(超レア☆)!

ネックは首の部分だと一番最初にお話ししましたね。その中での「かた」に近いところに霜降りと赤身がバランスよく混ざったお肉がちょっとだけあります。

1頭の牛から数百gしか取れない超レア☆(何度でも言います、超レア☆)部位なので、なかなかお目にかかることはありません。もし、焼肉屋さんなどで「ネック」メニューを見かけたら、問答無用でオーダーすることをお勧めします。その料理人さんは、ネックの良さを分かっている超プロフェッショナルかも!?

さて、ここまで「ネック」についてご紹介してまいりました。いかがでしたでしょうか?

牛肉の魅力は、サーロインやヒレだけではないんですね!むしろ、牛肉のプロと言われる人ほど、一般的には「使いにくい=硬い」部位の魅力を熟知していて、それぞれの部位にあった調理法を選んでいるな~と常々思います。

今日はここまでにしたいと思います。次はどの部位をご紹介しようかな~・・・・・リクエストがあればコメントください!

それではまた、お会いしましょう~